「12モンキーズ」とその元ネタで有名な「ラ・ジュテ」見ました
どちらも前に見てはいるのですが、先日CSでまとめて放送してたので感想など書こうかなーと…
「ラ・ジュテ」はかなり昔に1度見たきりなので、内容すっかり忘れてました!
「12モンキーズ」の方はしょっちゅうCSで放送されてるので、まあだいたい覚えてましたが
おおまかなあらすじ

男は子どもの頃に戻りたいと願った
それは女が待っているかもしれない世界––––写真、映画、ビデオ、コンピューター……あらゆるメディアを駆使して20世紀後半~21世紀初頭を「記憶」しようとした作家クリス・マルケルが珍しく創作したサイエンス・フィクションは、全編を静止した白黒写真とナレーションで構成した前衛的な短編映画。第三次世界大戦後、崩壊したパリで危険な実験台にされた主人公は、目に焼きついて離れない女性のイメージを追って過去へ、そして未来へと旅をする––––直接的な翻案であるテリー・ギリアム監督の『12モンキーズ』(1995)をはじめ、その後の数多くの<タイム・トラベル>ものに影響を与えた、映画史の中でも特異な地位に屹立する傑作。
youtubeより
でも改めて見ると、大まかな設定は同じとはいえ結構違いがあったんですね◎ていうか30分程度の作品(ラ・ジュテ)からよくここまで内容を膨らませたなあ〜と感心してしまいました

ざっくりとした感想
「ラ・ジュテ」は見た方は知ってると思いますが、スチール写真を撮ってそこにナレーションを付けただけの、実験映画と商業映画が合わさったみたいの作品で、写真を写してるだけなので動きは一切なく(※一部を除いて)言い方は悪いですが学生が撮る低予算の自主制作映画のような、ちょっと青臭い感じの作りです
でもしろくまこはこういう青臭いものが結構好きなので、初めてみた当時もスゴイものを見た!というような感想を持ったような記憶があります
「ラ・ジュテ」と「12モンキーズ」の共通点と違い
「ラ・ジュテ」と「12モンキーズ」に共通してるのは
- 地上が汚染されて人々は地下に住んでいるが、それを打開するためタイムマシンで過去(もしくは未来)へ行って原因を取り除く
- 主人公が子供の頃に見た光景が、未来の自分と関わりがある
という大枠だけで、あとはかなり違ってました
「12モンキーズ」では地上が汚染された原因は何者かに撒かれたウイルスで、過去に行って犯人を突き止め、ワクチンを作って人類を救う、という目的だったのに
「ラ・ジュテ」では第三次世界大戦の核兵器によって放射能に汚染されており、未来の技術を手に入れて除染しよう、という目的になってて、でも未来に行くのが難しいのでまずは練習として過去に行く…という今思えばちょっと回りくどい設定になってます
地上が汚染された原因が 放射能→ウイルス に変更されたのも、1995年という「12モンキーズ」が公開された年代を考えると、一応冷戦が終わって第三次世界大戦てのも現実感が無くなって、ウイルステロに変えたのかなーと思います
でも現在の新型コロナウイルスで世界中が大混乱になってる状況を思うと、正直核兵器よりもウイルス兵器の方がはるかに効果的なんじゃないかな〜と嫌な考えに至りますね…
「ラ・ジュテ」では、主人公が過去の、ごくごく小さな世界で生きることを願ったいかにもフランス映画的なのに対し「12モンキーズ」では主人公が最後に世界を救おうと踏み出してるところが、なんだかんだハリウッドの映画のスケール感なのかな〜?と
まあ共通するのはプロットだけでほぼほぼ内容の違う両作品ですが「ラ・ジュテ」の博物館の動物の剥製のシーンが「12モンキーズ」の動物解放協会のイメージに繋がったのかな?とか、全編で流れてくるささやき声とか、そこそこ色んなモチーフが再利用されてるようにも思います
いずれにせよ「12モンキーズ」はSFミステリーとして面白いし、ラストの詩情あふれる余韻もgood( ´∀`)bグッ!だと思います
ところでラスト、女性科学者が飛行機の中にいたのは、昔犯人に”ニアミス”してたのかー(うわぁぁ絶望…)とずっと思ってたんですが
むしろ【未来からやってきて、その後犯人を捕まえて未来が救われた】ていう説を見まして…まあ、その方が救いがあって良いですね
***ここまで読んでいただきありがとうございました***
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