映画感想邦画

【感想】少年時代

子供は子供で大変なんだよ
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どうもこんにちは、しろくまこです

映画感想

映画「少年時代」見ました

藤子不二雄原作で、井上陽水の主題歌が大ヒットしたことで有名なやつですが、実は今まで見たことがありませんでした
先日たまたまCSで放送してたのを見た感じなんですが、途中で飽きたらやめよ、っていうくらいの軽い気持ちだったのが、なんかすごく面白くて最後まで見入っていまいました

戦中の、東京から地方へ縁故疎開した少年と、現地の子供達のだいたい1年に渡る交流を描いた地味な作品ではあるんですが、映像や演出が落ち着いているのと、こういう時代の作品にありがちな理不尽なことでいびってくる大人もおらず、余計なストレスなく話に入り込むことができました

…ていうか元々こういう子どもたちの、胸キュン系のワチャワチャした群像劇(ルイ・マルの「さよなら子どもたち」とか「トリュフォーの思春期」とか)が好きだったんだわ〜と、この映画を見て自分の映画嗜好を思い出しました

すっかり忘れてたわ!

大まかなあらすじ

東京から田舎へ、一人縁故疎開してきた進二は、クラスの級長でありガキ大将でもある大原くんと仲良くなるが、大原くんは2人きりの時は優しいのに、学校や他の仲間がいる時は何故か進二に冷たく意地悪してくる…進二はどうしてそんなことされるのか分からず戸惑う(まあそらそうだ)

クラスはほぼ大原くんが牛耳ってはいるものの、大原くんを良く思っていない一群もいるらしく
ある日ふとしたきっかけで一匹狼的な子(おデブちゃん、なかなかいいキャラ)と仲良くなったら、次の日大原くんがおデブちゃんをイジメ、進二から遠ざけてしまう…
この時点で、大原くんは進二を独占したいんだろうな、と分かるんですが、進二にはどうも理解できない様子

ある日、進二が隣町へ荷物を取りに行ったと聞いて、大原くんは慌てて追いかけていく…以前隣町で大原くんが暴れたらしく、大原くんの取り巻きは隣町の不良たちに狙われてる模様

暴力シティすぎてヤバいわね…

間一髪で進二を助けた大原くんは、ほとぼりが冷めるまで写真館に行こうと誘う
記念写真を撮る2人

進二はなんだかんだ大原くんたちとうまくやっていくも、長期間入院していた副級長の須藤くん(メガネの切れ者キャラ、金持ち)が復帰してきてからクラスのバランスが変化していく…

更に大阪から縁故疎開していた美那子(進二と遠縁?)に「大原くんに取り入っている」となじられ、進二は思い切って大原くんから離れようとする…と、今度は須藤くん一派に取り込まれ、大原くんに対するクーデターに加担することに…そして権力闘争に破れた大原くんはイジメられ、孤立してしまう

進二ふらふら…美那子ちゃんが言ってるのはそういうとこやで、多分

進二はなんとか大原くんとの関係を修復させようとするが、大原くんは自分といたら進二がイジメられるからと離れていく…

そうこうするうちに終戦となり、進二は大原くんとすれ違ったまま東京に帰ることに…

ざっくりとした感想

ある日突然都会からやってきた上品な雰囲気の少年を取り合う田舎の少年たちの図…に見えて、ちょっとBLチックね、と思ってしまったしろくまこはもう汚れてしまったのです

汚れちまった悲しみね

まあBLとかではなく、男女の性別も関係なく、友達を独占したい、というのは、小5くらいの思春期特有の感情かもしれませんね
しろくまこもその頃、女友だち同士の友情の奪い合いで毎日苦しんでた時期があったなあ…とちょっと切なく思い出しました

大原くんの場合はガキ大将でもあるので、進二に優しくしたい、仲良くしたいけど、他の子たちに弱いところは見せられない…ので、あんなアンビバレンツな態度になってたのかなと思います

ラスト、進二の乗った汽車を追いかける大原くんの姿に、すっごくよくある、いかにもなシーンなんですが、井上陽水の歌と相まって、思わず涙が…

エンドロールで映された2人の写真…2人はその後会うこともなかっただろうけど、人づてに進二の元に届けられたのかな?と想像しました


戦中が舞台になると、軍国主義の大人たちがいかに愚かか、と批判的に描く作品が多くなると思うのですが、この作品はそういう思想の偏りがないというか、終戦で価値観がガラリと反転したことへの大人たちの戸惑いもニュートラルに表現してて、子供だけでなく大人たちへの視線も優しい作品だなと感じました

映画の中盤、おデブちゃんのお姉さんの恋人が徴兵され、多分死ぬんだろうな〜と思ってたら、終戦後無事帰ってくることが伝えられたり、死の色が薄いのもこの映画を爽やかにしてるのかな、とも思ってみたり

あとは基本的に田舎の、素朴な人々ばかりなんですが、我らが志麻姐さん・岩下志麻演じる母親だけが、なんか世界観が違っていて(隠せない女優オーラ!)いかにも都会の女!って感じになってて面白かったです

進二を迎えに来た志麻母さんが、田舎で平和に暮らせて良かったね的なことをやたらと言うんですが、いや、そうでもないよ、結構大変だったんだぜ…って進二の代わりに説明してやりたくなりました笑

***ここまで読んでいただきありがとうございました***

原作、電子版があれば読む機会ありそうだけど…って思ってたらデジタル版出たみたいです

そんなわけで 
しろくまこの評価は・・・8/10点です(`・ω・´)シャキーン
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エンドロール見て、原作藤子不二雄Aの方だったん!?と気が付きました…勝手なイメージでFの方だとばかり…

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